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レストア&車輛再生奮闘記「エピソード3 VW Karmann Ghia 1960 レストア(再生) 1」

レストア&車輛再生奮闘記
「エピソード3 VW Karmann Ghia 1960 レストア(再生) 1」

丁度、今からさかのぼる事15年前、おおよそ1998年7月頃の事と思います。
自分の歳も未だ若き日の事でした。

私が、未だ”実家”にすんでいたときの事、
近所の友人が、「近所の〇〇辺りの駐車場に随分と長い事放置された”Karmann Ghia (カルマンギア)”があるよ」との情報より
このエピソード3が始まりました。

当初、エピソード1、2にも有る様に、VW Beetle'77 をレストア(再生)し、その車輛も完成し、
数ヶ月位経っての事だったと思います。

興味本位に言ってみると、確かに、そこには、ヒッソリと朽ち果てた1台の旧車、”カルマンギア”が、落ちていた。
いや、駐車場に駐車? 正しくは、放置してありました。

そこは、一応ながら月極駐車場でしたので、車体には、ナンバープレートも付いていましたし…、
とは言えど、
フロントガラスは、埃まみれ、タイヤの空気圧も抜けぎみ、やはり放置している様な車輛のつやもあせ、
長い事乗って、動かしていない様な形跡…。
下回りも確認、道のわだち、ホイールの汚れ具合…、やはり、長い事放置されれいるようだ…。

その様な”放置されたカルマンギア”が近所の駐車場に有る事を知り経過する事、数週間…。

行くも去るも、買い物ついでに近くに立ち寄る、その道を通る度、その放置車輛を見に行く事も、しばしば…。
正しくは、月極駐車場に駐車されている駐車車輛…を確認しに。
通りに面した駐車場で、その道を通行すれば放置車輛が見れるような場所に放置されていたので、
しばしば、動いているか否かの状況確認。

やっぱり、動いていない。動かしていない。
う~ん…、「欲しい~!」という気持ちが高鳴るばかり…。

レストアして、復活させたい! 見間違える様な位素敵な車に仕上げたい!
このまま朽ち果てるのではなく、再生し日の目を見させて上げたい!
と、あれやこれやと思い、
ここからが、新たなスタートになるのでしょうか?

このままでは、他人の持ち物。
どうすれば、この車輛の売買交渉が出来るか…?

親戚に車輛販売関係の者がいたので、早速、ナンバープレートを書き留め、
陸運局で、車検書登録情報をプリントアウト?してもらい、個人情報を調べて貰いました。

ナンバープレートの番号等を書き留めて、陸運局で、車検書登録情報をプリントアウト?してもらい、
その記載された所有者を調べて貰って…なんて事は、今のご時世は、出来るのかな?
個人情報保護法の関連より、この様な事って聞き出し難いのではなかろうか…?

とまあ、この当時だからこそ出来た方法?で、
この車検証の情報から、個人所有者の住所を割り当てて、確認ができました。

ん? 東京都下の駐車場で有りながら、所有者の住所は、千葉県…? なんだ?
所有者を割り当て、住所の該当する自宅を電話帳だったか、104の電話サービスだったかで、調査。
(考えてみると、この当時だからで来た事と思いますが、今はどうなんでしょうか?)

千葉県の住所は、所有者の実家だった様で、事情を説明し、本人の現住所、連絡先を伺う。
これが、またご本人の移転やら、不在で、なかなかリサーチが取れなかった事を記憶してます。

なんだかんだ、結局の所、やっと所有者と連絡が取れて、本人に事情を説明し、個人売買の交渉を…。
アポ、交渉の場が取れる運びとなり、後日、面と向かっての打ち合わせ、商談。

あれこれ、押し押されの交渉の末、条件を色々飲んで、20万円で購入。
ちょっと高いんじゃないの~!って、率直な感想。まだ、ここから、費用かかるんだけど~!
ま、色々聞く所によると、まあ、その位でしょう…との事。

余談ですが、所有者は、月極駐車場に長い事放置してあったので、かかる対価も放置していたようです。
結局、支払いの滞っていた駐車場代で、2年分の約12万位?を納めたようです。

購入代金を先に振り込み…。 
車輛の鍵も引き渡され、数日後、放置された駐車場より友達の車輛でけん引してもらう事に。

放置された車輛の駐車場に行き、けん引してもらう準備を行う…。
鍵でロックを外し、埃まみれのガラス窓、空気が抜けたタイヤ、エッサホイサと車輛の窓を開け、
車輛を押してハンドルを切り返し、引いてハンドル切り返し…と搬出の準備。
そうそう、エンジンはかかりません。既にバッテリーも無く、かからない状態であったので、けん引の運びとなりました。

けん引して、自宅へ移動を行うが、
初めての左ハンドル車、けん引での移動でも、何だか勝手が違うのに凄くたじろいだ事を記憶してます。
ましてや、旧車、カルマンギアはちょっと特殊でした。車高も低いし、何だか、ハンドルは細く、足下は右に向いた感覚。
「ゆっくりゆっくり、引っ張って!」と声をかけるも、「ゆっくり引っ張ってるよ!」との返答。
本当かよ~!速いよ~」って…。

けん引する友人の感覚、けん引される左ハンドル初乗りの自分の感覚、相互の感覚の違いに、
公道をけん引してもらってビクビクでした。
1kmも無い所でしたが、友人の車に引っ張られ、順調に自宅へ移動。無事、自宅の駐車場へ移動完了となりました。

Karmann Ghia(カルマンギア)は、1960年製の旧車ですので、ハンドルも細く、レトロ。
アクセルとクラッチは、構造上、中央に走るシャーシに連結、床面にアクセル、ブレーキ、クラッチが接合、
下部より上部にフットレバーが伸びている感覚なので、自然と体は、正面を向くものの、足腰は右によじれた感覚になります。
面白いでしょ…!

もう、15年前の感覚ですが、あの時の初乗り、初動かし、初左ハンドル…、とても懐かしくも、くすぐったい感覚です。

数日後より、車輛のバラしに入る。
ここで、問題を含みながらの着手。代金払い、鍵も引き渡され、月極駐車場より移動するも、名義変更が終わってない…。
このままでは、未だ、他人の所有物…。 と、言うも、
結構バラし始めてしまっていたので、「やっぱり返せ!」と言われたら、大変な次第でした。(苦笑)

結果、
色々、連絡し、催促し、やっとの事で、住民票やら、印鑑証明書やら書類一式を受け取り、
その後、無事に名義変更終了! 抹消登録、無事に自己所有物としての登録完了!
本格してのレストアスタート!との運びになりました。1998年10月頃の事でしょうか…。

意気揚々と車輛の解体… 今回のレストア構想は、フルレストア! 
・フレームアップによる錆びとり、防錆、
・何層にも重ね塗りされた塗料を総隔離、一連の化粧を落とし、色塗り直し
・全てを奇麗に一新しての再生

※…後々、この内容の問題点に触れたいと思いますが、
フレームアップ、塗料剥離は、それ相応の事をきちんとやらなければ、車輛本体に負荷を与えてしまうようですので、ご注意ください。
決して、フレームアップ、塗装剥離が、最善と言う事は有りませんので、ご理解頂ければと思います。

「フルレストアで、奇麗なカルマンギアを作成しよう~!」と思い、解体に着手。
これからが、長い長い、時間と労力の作業の始まりでした。

あれやこれやと車体のパーツを外し、バラバラに…。取り外したパーツは、部門、場所、パート別に区分け、タグ付けして保管。
錆の有るパーツ、塗料を何層にも塗られたボディーパーツは、塗料剥離…と、
はじめは、とても楽しいもので、休日、週末は、勤しんで作業に取りかかってました。

レストアをするにあたり、はじめは、青天井で行ってましたが、
雨を凌ぐのに、家の軒先に足場パイプでの小屋を建てて、一応ながら雨風を凌げる様なモノを作成して、レストアを行いました。

やはり、屋根が有ると無いとでは、作業の効率性は、全然違います。
また、バラしたパーツの保管場所の確保も必要になります。
何処かの本に記載された事と思いますが、レストアするには、車体の3倍以上の場所が無いと出来ません。
と言うか、やっぱりそれ位の場所が無いと作業を行うのに不便を感じます。
中には、フルレストアをもっと狭小の場所で行った…なんて言う方いるかも知れませんが、広いに超した事はありません。

ここでは、幾つか写真を付けて書き込んでゆきたいと思います。
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個人売買から購入し、自宅の裏庭に移設、いざレストア開始との意気込みで、
レストア前の車体状況を撮影。
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後方より撮影。その先に小さく移る、薄緑色のBeetle'77 は、エピソード1、2の記録となる車です。
後年式なので、走りも快調でした。
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この写真以下、内装を剥がし、ボディーをフレームアップ。
足場パイプで、フレームの支えを作り、ボディーとシャーシを分離。各所の補修メンテを行うが、
各所の錆、くさり、損傷がひどく、素人ながらの処理、防錆で対処。
(今の知識からみて、当初は技術も無かったので、修繕は、出来ていないに等しい…。)
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錆びとりは、ひたすらベビーサンダー、直圧式サンドブラスト、を使用して剥離。
剥離材も使用したが、剥離材の剥がし残しの処理が大変。皮膚に付着すると火傷します。取り扱いにご注意ください。

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ボディーの下回りは、水がたまり易く、ヒーターの流れるダクトを兼ねているため、
このように腐っている事が多い様です。この辺もきちんと修繕、補修出来れば良かったです。
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ここでは、リアパネルの塗料剥離の状況です。ベビーサンダーの金属ブラシでひたすら削る。
騒音と塗料の粉塵を予防し、耳栓とマスクは、必ず着用。
本体同様、塗料の層は、7色、8色のレインボーカラー、…本来は、水色。
赤、青、緑、…ピンク、灰色とたくさんの重ね塗りでした。
27970009.jpg

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直圧式サンドブラストとベビーサンダーを併用し、ひたすら塗装を研磨、剥離、防錆処理。
…本来ここまでしなくても良いようです。返って錆びる原因作ってしまっているようです。
ちなみに、黒い防錆塗料は、POR15を使用しています。若干、塗料を薄め、のばして塗布してますが、
やはり錆びると思います。
POR15は、防錆に優れているようですが、厚塗りすると、はがれ易いのも特徴の様です。
また、経年によっては、フィルムの様にペロッとはがれてきます。…ムムム。
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フレームアップし、車体を横にして錆びとりや、各所の補修を行う。合わせて防錆塗料をぬり防錆処理。
この様な近い姿の状態を、「BBQではなく、カーベキュー」と記載している雑誌も有りました。
車を串刺しにして、回転式で、防錆処理作業を行っておりました。くるくると回転式で…。

27960032.png
日付を確認し、ここまででも、1年以上経過…。

丁度、このころ「Old Timer 」と言う雑誌も読み漁り、
この様な修理は推理…の如く、素人レストアを行って、日夜、再生を楽しんでいた事でした。
ここまでも・・・、これからも・・・、まだ先の長い時間と労力の「道のり」の最中でした。



次回、「エピソード4 VW Karmann Ghia 1960 レストア(再生) 2」に続く。

Pharos 店主
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  1. 2013/09/07(土) 03:18:45|
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